更年期と運動

更年期と運動

質問者質問者

更年期には運動をするといいと聞きますが、なぜですか?


女医女医

運動には更年期の不調をやわらげるうれしい効果があります。
女性ホルモンのエストロゲンには、内臓脂肪を減らす働きがあります。そのため、更年期に、エストロゲンの分泌が減少すると、内臓脂肪がつきやすくなり、さらに、加齢によって筋肉量が減って、代謝が減るため、〝太りやすいのに痩せにくい″体質に変化しています。適度な運動で代謝の良い体にすることもできます。

体の働きがスムーズになれば食欲もわいてきて、心身に良い効果が期待できます。
そうすると、更年期の症状を緩和することにつながります。

運動は、1日の活動量を増やすだけでなく、衰えがちな筋肉量を増やすことができます。筋肉量が増えれば体脂肪の燃えやすい身体を保つことができ、基礎代謝もアップし、運動をすることは肥満予防にはうってつけなのです。

さらに、適度の運動は心肺機能を高め、体の働きを維持する上で、欠かすことのできないものです。

他にも骨に対して血流の増加や骨芽細胞を剌激して骨量の増加をもたらしてくれるので、骨粗そう症の予防としても効果的です。

更年期の女性に適している運動とは?

質問者質問者

更年期の女性には、どのような運動がいいのでしょうか?時間や量はどの程度がよいのでしょうか?


女医女医

1 継続性のあるもの
2 関節や靭帯に大きな力がかからないもの
3 適度に心拍数を増加させるもの
4 薬しみながら行えるもの がいいですね。

骨粗しょう症の予防のための運動としては、ウォーキング、エアロビクス、ストレッチ、軽いジョギング、水泳などが効果的であるとされています。
運動量の目安としては、一日30分、一週間に3回以上の運動が必要です。
運動の強度としては、50歳の女性で心拍数が1分間に120~140を維持する程度の負荷が理想的です。

更年期女性にあう運動とあわない運動

質問者質問者

更年期の女性にあう運動、あわない運動はありますか?


女医女医

更年期や高齢の女性に適した運動は、歩行や軽いジョギング、水泳、自転車など、持久力を養う、いわゆる有酸素運動です。無酸素運動は向いていません。

このような有酸素運動では筋肉のエネルギー源として脂肪が使用されます。
しかし激しい運動である無酸素運動を行うと、エネルギー源として貯蔵型のグリコーゲンが使用されてしまいます。グリコーゲンは脳などの重要な臓器のエネルギー源であり、運動によって大量に消費されることは、脳にとって好ましいことではありません。
また無酸素運動では血中に乳酸が蓄積してくるため筋肉の疲労がたまりやすくなります。
更年期以降の女性は、心肺機能が低下していたり、関節などに年齢による変化をおこしている場合が多いので、全力疾走や筋力トレーニングなど一時的に大きな力を出したり、関節などに強い負担をかけてしまう無酸素運動は好ましくありません。

大きな筋群を用いて持久的でリズミカルな有酸素運動が好ましいです。
運動をする前に、ぜひ、無理のない範囲で、各関節や筋を20秒ほどゆっくり伸ばすストレッチを習慣にしましょう。柔軟な関節は、転倒防止にも一役買います。

少し息がはずむけれど心地よいと感じる運動を、1回30分程度を目安に行いましょう。
有酸素運動をすると活動量が増えるので、エネルギーを多く消費でき、内臓脂肪の減少が期待できます。また、ストレス発散にもなるため、自律神経のバランスを安定させ、更年期に訴えの多い精神症状やめまいの症状改善が期待できるとも言われています。

一般的に心疾患、呼吸器疾患、肝疾患、腎疾患などの慢性の病気がある場合や、関節の変形や痛みがある場合などには、運動は禁止となります。
しかし最近では、糖尿病や心臓疾患、高血圧症、ぜんそくなどに対して運動療法の効果が認められていて、薬物療法とあわせて、もしくは単独でもすすめられるようになっています。

例をあげると、糖尿病の方に対しては、
1 インスリンの感受性を充進させ糖代謝を是正する
2 脂肪をエネルギーとして消費するので肥満の解消ができる
3 肺機能、筋力の保持により健康維持効果がある
4 運動によりストレス解消ができる
などの理由によって、運動効果が認められています。

高血圧症の方に対しても効果があるという結果が報告されていますが、
この場合の運動強度は最大酸素摂取量の50%前後で降圧作用がみられるというもので、それ以上ではあまり効果がなかったそうです。
きついと感じない程度の楽しくできる強度にとどめましょう。

運動の際のセルフチェック

運動の際は無理をしないことが大原則

運動前、中、後に下記のような状態を確認するセルフチェックを行い、安全な状態の時のみ運動を行うようにしてください。
運動前…発熱、だるさ、睡眠不足、下痢、頭痛、関節痛、前回のスポーツの疲れ、意欲
運動中…胸痛、息切れ、呼吸困難、ふらつき、めまい、冷汗、吐きけ、嘔吐、脈の乱れ、バランスの欠如
運動後…運動後10分以上続く《息切れや頻脈100/分以上)、吐きけ、嘔吐

更年期障害で苦しい中、Aさんは毎日ウォーキングしている友人にすすめられて、一緒にウォーキングをいやいやながらも始めたそうです。最初は友人に「あーしんどい」や「ふらふらする」など文句を言っていたようですが、だんだんとなれてくると、文句が出なくなり、1週間後にはイキイキとした顔に変わっていったそうです。そしてめまいも異常な発汗も出てこなくなったということでした。

女医女医

体がつらい時に体を動かすことは、気がすすまないことだと思いますが、体を動かすことで、良い成果につながることもあります。